瓦木紗綾シリーズ

「探偵さんってのは、楽な生き方じゃない」

エンジのジャケットの探偵さん、瓦木紗綾の事件譚集。


初版2016.5/1

改版2017.10/10

定価:500円

PDF版(booth)

文庫No.01 邪教

収録作品

・四号バンガロー(pixiv)

 ある日、私は久しぶりに“推理作家”になった。

 不思議な少女が語ったのは、この清流のほとりで起こった一連の事件と、

 それを解決した少女の話であった。

 

・女王蜂

 『女王蜂を殺した者共 その毒で報いを受けよ』

 

 文芸部員たちに届いたのは、部長の自殺を報復する犯行予告であった。

 部員、吉田春香は各人の行動に注意を払うが……。

 

・邪教

 それは体中をガムテープで巻かれ、ただ下腹部のみが露わとなった死体であった。

 背後に蠢く新興宗教の影、親友の新聞記者琴芝舞と屈指の猟奇的事件に挑む。

 

・一〇七号室

 「いろんな嫌なことを経験したおかげでいろんなことを想像しちゃうし、

  それが正しいこともある。ねぇ、それでも探偵って好き?」

 探偵にあこがれる少女と、瓦木紗綾の交流を描く、『邪教』の後日譚。



初版2017.5/7

改版2017.11/23

定価:1000円

PDF版(booth)

文庫No.02 燃焼実験

収録作品

・高二の夏

 舞と紗綾、それに部長の美輝での三人旅。温泉でゆっくりもつかの間、

 近くの湖にそびえる“水の館”が爆発炎上する。

 あの夏、三人が見た“水の館”に立ち昇る黒煙は何だったのか?

 

・失敗譚

 「私の話を英雄譚のように書きますけど、みんな失敗譚じゃないですか」

 普段服に気を使わない紗綾を何とかしようと試みる舞であるが、

 当の紗綾は慣れない! 落ち着かない! 頭が回らない!

 

・Paint Plan

 美輝に誘われやってきたリゾートホテルのプレオープンイベント。

 その初日の夕食に現れたのは参加予定者の生首であった。

 しかしそれはこれから起こる奇怪な事件の序章に過ぎなかった。

 

・燃焼実験

 「これから二十分後、彼らは炎に包まれます」

 殺人の生配信の後、警視庁に届いたのは、人体の燃焼の実験報告書であった。



初版2018.11/25

定価1500円

PDF版(booth)

文庫No.03 鏡像

収録作品

・銀色の魔術師
――瓦木紗綾先輩、あなたは一度も失敗したことのない探偵だそうですね――
気取った文句から始まった手紙が語るのは、美術展の作品「魔女の暦」を盗むという大胆不敵な犯行予告!

・死神
あるはずのない死体が……でてきた。
葬儀屋社長が会社の威信をかけて執り行ったのは自身の生前葬。
蝋人形を火葬炉にいれて数時間、なんと出てきたのはほぼ完全な一人分の人骨!
瓦木紗綾は彼女の母を知る行橋警視の協力のもと凶悪殺人犯の影を追うが……。

・鏡像
「Paint Plan」で書かれた伊豆石廊崎の事件からおよそ一か月。
紗綾たちは映画研究部と合同で伊豆諸島曲島の合宿所に向かう。
紗綾の不安をよそに美術部員たちは、夏!

水着で浜辺を楽しむシリーズ屈指のサービスシーンを収録。
しかし翌朝島の灯台で銛で腹を突き抜かれた映画研部員の惨殺体が見つかる。
……いや、これは悪夢の序章でしかなかった。
二つの密室殺人に二つの死体消失事件が重なる史上最凶の殺人事件。



初版2020.11.22

定価1000円

PDF版(booth)

文庫No.03 鏡像

収録作品

・薔薇と首(pixiv)

 ――むかしむかし、とある国のお話し。

 そこにはたいへんうつくしいお姫様と、

 虐げられて育ったかわいそうな女の子がいました。――

 一面の花畑のような現場の中央には、首なき歌姫が眠っていた。

 

・藍染心中
 朱に染まった死体とはよく聞くが、藍に染まった死体は初めて見る。

 飲み込まれるような深い藍色の水たまりの中に息絶えた男女の死体。

 捜査を進めるうちに被害男性をめぐる怪奇な男女関係が明らかになる。

 

・宵牡丹

 警部に誘われてやってきた隅田川の花火。

 浴衣に扇子としゃれ込んでみるも、水死体が流れ着いたと報があり……。

 一つの死体をめぐる人間模様を紗綾と後輩 日置咲良がひも解きます。



未単行本化作品

・Dr.K (LG2016 “蜂” 掲載)

 蜂、蜂、蜂だ。露天風呂の窓一面に張り付いた蜂の大軍。

 被害者は蜂に殺されたのか、それとも……?

 

・旅の途中 (LG “南の国から” 掲載)

 全国的にも珍しい北海道のとある“民宿駅”にやってきた舞と紗綾は新婚夫婦と元交際相手の運命的な邂逅を目撃する。

 翌朝彼女たちの前に現れたのは妻の元交際相手の銃殺体であった。

 

 

 ・雪華 (LG2018 "チャイムがなったらさようなら" 掲載)

 「私は、先生のことを少し見くびっていたようです」

 探偵瓦木紗綾の過去と今を結ぶ、一つの殺人事件のお話し。

 

 ・殺鬼 ("食人謝肉祭"掲載)

 その島には三体の鬼のミイラが祭られている。

 紗綾の時代からさかのぼること20年、瀬戸内の因習渦巻くしまで起きた食人事件をエンジのジャケットの探偵が解く。

 

 ・初夏の冒険 ("邂逅書架II"掲載)

 いつも同じ本ばかり借りている不思議な少女。

 いったい何のため? 陽菜は図書委員の禁を犯し、その謎を解こうとするが……。

 

 ・軌条 (LG "ジンギスカンは電気羊の夢を見るか?"掲載)

 菰に巻かれた連続轢殺事件。容疑者が提示してきたアリバイは「鉄道写真」。

 その時にしか走らない、臨時列車の謎を瓦木紗綾はどう解くのか?